神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。創世記第1章31節(新共同訳聖書)

10月に入り、暑さも和らぎました。近年は夏の暑さが厳しくなる傾向にありましたが、それにしても今年の暑さは厳しく、世界的な規模で異常気象に起因する多くの災害が起こりました。
 聖書は創造物語の中で、「神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった」と記しています。しかし、この「極めて良かった」被造世界が悪化しています。
 神は、人に向けて「地を従わせよ」といわれました。そして、他の生き物を「すべて支配せよ」といい、また、食物を産出する植物を「すべてあなたたちに与えよう」といわれました。この支配権と所有権の付与には、神の意図があったのではないでしょうか。そして、その意図は「極めて良い」被造世界を失わないようにすることだと思うのです。
 与えられた「いのち」とその「いのち」を保つ環境を大切にすることを前提として、支配権と所有権が付与されていること、そして、与えられた大きな「権限」と共に「責任」を担っていることを、私たちは忘れてはならないのです。
 私たちは、なぜ自ら制御できないエネルギーを求め、その結果、汚染水を被造世界に流しだすこととなってしまったのか。
 神から託されている「被造世界に対する責任」と「社会的責任」の重さを、日々み言葉から確認しつつ歩むことの大切さをあらためて確認した「夏」でした。

 中田義直(日本バプテスト連盟常務理事 所沢キリスト教会協力牧師)

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