「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」マタイによる福音書5章9節
NCC議長 渡部 信
ソウルの近郊、高陽(コヤン)市のコンベンションセンター・キンテックスで3月8日(木)朝、クリスチャン議員が中心となり韓国国家朝餐祈祷会が開催された。私は今回7年ぶりに招待状を頂き、参加した。今年は合唱団・オーケストラを加えると歴代最多となる5,000名が集う大祈祷会となった。第50回の今回と「ヨベルの年」とを重ね合わせ、解放と自由を強調した。会は「赦しと和解」をテーマに、朝鮮半島の南北統一に向けた祈りで始まり、出席した文在寅大統領と金正淑夫人と共に南北統一への再祈祷で閉会した。日本からの出席者は私の知る限り7、8名足らずで、近年顕著な日本と韓国のキリスト者同士の希薄な関係を象徴するかのようであった。
日本は、朝鮮半島の南北統一に懐疑的である。しかし、韓国キリスト者の祈りからは、1948年に建国された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との祖国統一へ向かいつつある、政治を動かす原動力はキリスト者の祈りである、という叫びと気迫が伝わってきた。
帰国後、ある軍事評論家のセミナーに出席した際、今年4月に行われる南北首脳会談に象徴される北朝鮮への路線変更は本物である、という分析を聞いた。現実に戦争が起これば百万を超える死傷者を生むことは必至であり、その抑止力として、人に被害を及ぼさず、軍事指揮系統を麻痺させる「電磁波(サイバー)攻撃」がアメリカで実戦配備されたとのこと。結果、昨年末に路線変更をせざるを得ない状況になったとの楽観的評論が展開された。
体制が異なる民族統一が果たしてどのように達成されるのか、誰にもわからない。しかし、これもまた知を司るのは人であり、歴史と人を司るのは神である。日本にも多くのクリスチャン政治家が起こされ、神の知恵によって「世界平和」が保たれるようにと祈りたい。