草は枯れ、花はしぼむ。しかしわれわれの神の言葉はとこしえに変わることはない。 (イザヤ書 40:8)
「神がお造りになった天と地と、その万象ははなはだ良かった」。以来、花はくる年くる年新鮮に咲き続ける。世界の激変をよそに今年も静かに梅の花が咲き、やがて桜の花も目にする。今まで当たり前のように思っていた四季折々の自然の変化。この先は?と不安になる。「アメリカでは、春が来ても自然は黙りこくっている」とレイチェル・カーソンがその著書「沈黙の春」で警鐘を鳴らしたのは1962年。以後彼女の不安は現実になっている。被造物であることを忘れた人間の飽くなき欲求のために。
戦争の世紀と言われた20世紀を終えてなお、世界のいたるところで戦争は止むことなく、紛争は消えず、世界はますます混迷を極めていくように思える。
「希望はどこに?」と問う私に主は語られる。「神の言葉はとこしえに変わることはない」と。誕生から十字架・受難・死そして復活に至るまで、私たちと共に歩んで下さった主。私たちの悩み、苦しみ、痛みを全てご存知の主。私たちの罪の贖いのため十字架に向かわれた主。その主からの言葉に信頼せずしてどこに希望があるのかと思う。様々な場面で不確実性との出会いを余儀なくされる今だからこそ、自己を見つめ、道を拓くための選択肢を求め、とこしえに変わることのない神からの言葉に信を置くことの出来る恵みを、レントの今改めて強く思う。
実生律子(日本YWCA代表理事)