すると、火をつかさどる権威を持つもう一人の天使が、祭壇から出てきて、鋭い鎌を持つ天使に大声でこう言った。「あなたの鋭い鎌を入れて、地上のぶどうの房を取り入れよ。ぶどうの実は熟している。」(ヨハネの黙示録14章18節)
ここに登場する「もうひとりの御使い」の特徴は、祭壇から出てくる、というところにあります。祭壇とは、祈りの香が炊かれる場所です。黙示録8章3-5節にある通り、主の聖徒たちが地上でささげる祈りは、神の御前に香しい香となって立ち上っているのです。主の聖徒たちが地上のあらゆる不正と邪悪の数々に心を痛め、また彼らが受ける主の御名による迫害と苦しみについて、彼らが祈った祈りがついに満ち溢れて、神がその祈りを聞かれる事によって地上に様々な裁きが起こされると語っています。
祈れば、祈ったとおりに即座にかなえられることばかりではありません。むしろ祈れども主の聖徒たちの苦しみが取り去られないままということが多くあります。それは主の聖徒たちの祈りが聞かれないということではありません。主は全ての祈りを受け止められ、時が満ちた時に、速やかにその答えはこの地上に届けられます(黙示録6章9-11節)。
祭壇で焼かれる火、つまり聖徒たちの祈りは神の御前に届けられて、主の業の始まりの合図は、この御使いの呼び声から始まります。つまり積まれた祈りは、決して無駄に地に落ちることなく、主の御前に蓄えられて、主の定められた時に、祈りの見事な結末が、この地上に実現されるのです。
星出卓也(NCC靖国神社問題委員会委員長)