日本基督教団 道家紀一
「さらに、あなたがたは今がどんな時であるかを知っています。あなたがたが眠りから覚める時がすでに来ています。今や、私たちの救いが、初め信じた時よりも近づいているからです。夜は更け、昼が近づいた。だから、闇の行いを脱ぎ捨て、光の武具を身に着けましょう。日中を歩むように、品位をもって歩もうではありませんか。馬鹿騒ぎや泥酔、淫乱や放蕩、争いや妬みを捨て、主イエスキリストを着なさい。欲望を満足させようとして、肉に心を向けてはなりません。」(ローマの信徒への手紙13:11~14)
春先の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、わたしたちの日常は一変しました。教会も同じです。教会の命である礼拝をささげることが困難になりました。クリスマスを迎えようとしている今も自由に礼拝をささげることは控えねばならない状況にあります。
しかし思います。太陽は沈んだままですか?朝が来ない夜が続いていますか?そうではありません。一日は24時間刻まれています。春夏秋冬はやって来ました。マスコミやネットが、大変な時代になったと叫ぶからでしょうか。必要以上に、冷静さを失っていないでしょうか。わたしたちをこの地上に生み出し、地上を支配されている“大きな存在”に、今こそ、目を留めるべきではないでしょうか。
不安なこと、苦しいことがあると、闇が深まり続けるのではないかと恐れます。しかし、そうではないことを、神が備えた一日の中で知らされます。朝は来る!神が備えてくださっている恵みです。それと同じように、今の時は、それがどんなに闇に覆われていようとも、朝が来るまでの闇です。夜明け前が、一日でもっとも暗くなる時間帯です。もうこれ以上に暗くなれない、そこから事情は反転します。
そうです。わたしたちは今、神の光に包まれる新しい時代へ向かっています。神が備えてくださった光の武具=キリストを身にまといましょう。(ロ―マ13:11~14)肉の思いに生きようとするのではなく、慈しみをもち、愛すべきものを愛し、いとおしむものをいとおしみ、助けを必要としている人に寄り添い、悲しみにある人と共に歩かれた主イエスに倣いながら、今のこの苦しい時を生きようではありませんか。
アドヴェントは、希望をもたらす“光の武具”=キリストを待ち望むときです。