主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。
彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、
もはや戦うことを学ばない。(イザヤ書2章4節)
「いつまでこの国際会議を続けるの?」第4回9条世界宗教者会議(2014年)の開催案内をした時に海外の関係教会担当者から問われました。答えは「イザヤ書2章4節が実現するまで」。それから間もなく10年。ニューヨークの国連広場のイザヤウォールに刻まれているこのみ言葉の実現はさらに遠くなりました。
2500年以上前のこのみ言葉には、全人類を包み込む神の究極の平和の形が端的に示されています。バビロン捕囚を体験したユダヤの民は民族主義や国家主義を超越し、神の御旨のみに従う神の民の道を学びました。究極の平和は、神の御旨に従うことによってのみもたらせることを心に刻んだのでした。
当該国際会議を通して、仏教の「兵戈無用(ひょうがむよう)」(無量寿経)、イスラム教の「サラーム(神の意志に従う服従、平穏、平和の意)」(クルアーン)を私たちは学びました。イザヤ書のみ言葉は政治的軍事的合理性による安全保障の平和とは全く異なる、すべての宗教者の神(仏)の平和と軌を一にしています。どのような嘲笑や冷笑を受けても、このみ言葉に立って宗教者として神の究極の平和を告げ続けましょう。
上田博子 (9条世界宗教者会議 実行委員)