今月のメッセージ

「混乱(バベル)の極みの中で」(マルコによる福音書14章9節)

「はっきり言っておく。世界中のどこでも、福音が宣べ伝えられるところでは、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」(マルコによる福音書14章9節)
  
北村恵子 女性委員会 委員長
日本軍性奴隷とされた李容洙(イ・ヨンス)さんが、尹美香(ユン・ミヒャン)さんを告発した原因は、挺身隊対策問題協議会(挺対協)の会計の杜撰さにあるとのことだった。この疑惑が潔白であることは証明されている。同じ目的で活動してきたはずの二人が、なぜこうなったのかは、〈時〉が解決するのを待つしかない。
日本軍「慰安婦」問題全国行動共同代表のひとり、梁澄子(ヤン・チンジャ)さんはこう述べている。
「誰よりも切実に解決を願ったのは、美香だった。美香に罪があるとしたら、日本軍「慰安婦」問題解決のために、降りかかる火の粉も避けずに、一身をなげうってきた罪しかない。その解決案が被害者の名誉を毀損するものになってはならないと、真っ先に被害者のことを考えた罪しかない。」
未公開のドキュメンタリー映画”Apology”の中で、海外の公聴会に行く美香さんとハルモニが、ホテルの寝室で語り合う場面がある。
「疲れた」というハルモニに、「嫌なら帰ろうか?」と声をかけ、「帰らない」という返事に、ハルモニのベッドに入り、背中をさするシーン。「証言するためにこんな風に連れ回したくない。できれば暖かい部屋で、楽しく静かに過ごさせたい。」静かに涙を流す美香さんは、教会に行くよりもハルモニの傍らにいてあげたいと、とことん被害者に寄り添ってきた。
李容洙さんも尹美香さんも、目的は同じだ。それは日本からの誠意ある謝罪ー『河野談話』を継承するだけでもいいはずだ。
2000年『女性国際戦犯法廷』から今年で20周年を迎える。いまだに混乱(バベル)の極みの中で、心に浮かんだイエスのことば:「はっきり言っておく。世界中のどこでも、福音が宣べ伝えられるところでは、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」(マルコによる福音書14章9節)

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