青年委員会

青年委員会は、NCCの中でも最も歴史の古い委員会のひとつですが、1970年代になって、様々な事情から事実上の委員会活動を休止させることとなりました。これに代わる形で、1980年代以降、日韓教会青年協議会での韓国のキリスト教青年運動との出会いをきっかけに、青年たちの自主的な活動としてNCC青年協議会がスタートし、実質的な青年によるエキュメニカルな運動を担うようになりました。1990年代になって、休止していた委員会活動の再生への試みが徐々になされるようになりました。1997年に、NCC青年委員会・日本YMCA同盟・SCM協力委員会の三者の共催によって東山荘において開催された「学生青年運動エキュメニカル協議会」は、NCC非加盟教派を含めて、全国レベルでの教派青年会、各地学生青年センター、エキュメニカル青年団体等が一堂に会してお互いの運動の現状を報告し会う貴重な機会となった他、関東地域でのエキュメニカルな青年のネットワークを生みだすきっかけともなりました。

こうした動きを受けて、近年、青年委員会の活動も本格的に再開され、現在は、各教派青年会やNCC青年協議会をはじめとするエキュメニカル青年団体、各地学生・青年センターなど、青年運動に関する情報交換や、エキュメニカルな活動の支援、CCA-Youthなどの国際的なプログラムへの青年派遣の窓口の役割、エキュメニカル青年交流誌「Round Table」の編集などを行っています。

NCC青年委員会は、次の二つのことを中心に活動しています。ひとつは、NCC協力団体の主催する海外プログラムへの青年の派遣及び参加支援です。もうひとつは、年2回開催される「エキュメニカル・ユースの集い」(以下エキュユース)です。青年委員会はエキュユースをエキュメニズムの実践の場として捉え、各教派・団体の活動の報告や、信仰生活の悩み、疑問、喜び等を分かち合い、そして共に祈ります。
 エキュユースでは、各教派・団体の活動報告と、参加者にエキュメニカル活動を考えてもらうことを中心にプログラムをたてられます。またその後の話し合いの時間では、エキュメニカル活動に関連して、NCC構成団体に関する質問や、各教派・団体の違い、エキュメニカル活動の魅力、そして具体的にどのような領域でエキュメニカル活動をできるのかといったことまでが話されます。

青年委員会は、キリストにあって繋がった青年達が出会いを通してお互いに励まし合い、時に慰められ、強められて、行動する群れとなることを望んでいます。

青年ニュースの交差点

青年委員会ではメーリングリストをつくり、加盟教団・団体の活動のお知らせをしています。

 

女性委員会

女性委員会は、現在プロテスタントの8つの教派、1つの単立教会と5つの団体が構成メンバ-です。委員会では情報交換や討議を行い、エキュメニカル運動を進めています。その目的は、1)教派団体のメンバ-の交わりを通して相互の理解を深め、働きや目的を分かち合う 2)女性の人権に関わる問題に、祈りと行動をもって共働する 3)和解と平和の活動に、世界の女性と連帯することです。

教会の女性たちの働きの一つに「世界祈祷日」があります。世界祈祷日は、1887年アメリカの長老派の女性たちが移民その他圧迫されている人々を覚えて祈る日として初め、教派をこえて世界中に広まり、日本でも1932年以来1945年を除いて守られてきました。世界祈祷日は、毎年レントの第一金曜日に170の国と地域で、日本では約250ケ所で守られています。式文の翻訳、準備と実施、奉献、報告まですべて女性委員会の責任で行われます。

1988年から10年間、WCCは「教会が女性と連帯するエキュメニカルな10年(教会女性10年)」を提唱しました。教会女性10年の最終年の1999年に、女性たち現状をアンケート調査し資料にまとめました。また、つどい「私たちの声-教会女性のネットワークを めざし、エンパワメントを求めて」を開催しました。

また、2001年から10年間、WCCは「すべての暴力を克服する10年」を提唱しました。この呼びかけに応えて、女性委員会では、すべてのいのちをいとおしむ心を取り戻そうと、フォーラムを5回開催しました。

韓国の教会女性たちとの交流と連帯も大切な活動の一つです。戦後50年の総括以来、日韓NCCの女性委員会が呼びかけ、東北アジアの平和のための、教会女性たちの連帯と交流のプログラムを続けています。

目標

  • 世界祈祷日の原点と歴史の理解を広め、各地にさまざまな祈りの方法を提案していく。
  • 「すべての暴力を克服する10年」に、男性と共に、幅広く取り組みを行う。
  • セクシャルハラスメントなど、セクシャリティーの課題について情報交換を行い、NCCの中で活動の基盤をつくる。
  • 日本軍強制「慰安婦問題」の解決のために活動する。
  • キリスト者女性のネットワークの拡大。

基本計画

  • 世界祈祷日の歴史(冊子)を広める。世界祈祷日の日本語式文の発行と開催の呼びかけ。
  • 女性委員会ニュース『ともに証を』の発行。(年1回)
  • 「すべての暴力を克服する10年」フォーラムの開催。
  • ジェンダーに関する国際会議への派遣(CCA、「慰安婦」問題アジア連帯会議など)
  • 日・韓・在日 NCC女性委員会連帯・交流会議の開催

 

都市農村宣教(URM)委員会

URM委員会は、NCCの中で唯一関東に基盤をおかない委員会です。関西を中心に委員会を一総会期に数回開催する他、常任委員会が日常的な委員会活動の責任を負い、また全国に点在する地域コーディネーターを通して、各地域の課題を共有しようと努めています。

現在の委員会構成は、地域にセンターとして拠点をおく団体の運動の相互交流をはかるネットワーク的側面が強く、近年細分化されてきた運動が、それぞれ得てきた視点や経験を共有し、力を強め合うために、数年に一度、全国URM関係者協議会を開催して、わかちあいを深めています。1999年9月23-25日には、神戸において「21世紀にむかうURM運動の課題と展望」をテーマに、この関係者協議会が開催され、「農村と女性」「移住労働者の支援」「寄せ場の現状」「沖縄の基地問題」などの課題が共有されました。

またURM委員会は、歴史的に韓国のNCC-URM委員会と深い連帯関係にあり、これまでにも韓国の民主化運動の支援や、韓国進出日系企業の労働問題を通した具体的な連帯運動がなされてきました。さらに、1978年以来、4回にわたって日韓NCC-URM協議会を開催しています。1998年に京都で開催された第4回日韓NCC-URM協議会では、「グローバル化する社会における日韓URM運動の課題と役割」をテーマに、アジアにおいて日韓両国のURM運動の果たすべき役割が大きいことを確認し合いました。

かつては、都市産業伝道(UIM)として労働問題を中心に取り組んできましたが、現在では、都市農村宣教委員会として、さまざまな課題の幅広い横のつながりを大切に考える委員会となっています。

最近の活動としては、2010年3月14日~16日、関西セミナーハウスを会場に第19回NCC全国URM協議会を開催しました。テーマは、「経済至上主義を問う」-地域の再生と宣教の課題-、特別基調報告として「エキュメニカル運動の100年とURM」と題して、神田健次さん(関西学院大学)が講演をしました。

2010年10月4日から7日までは、第9回日韓URM協議会が「日本による韓国併合から100年」をテーマに開催されことになっています。

なお、URM委員会について深くお知りになりたい方は、以下のページをご覧下さい。

出版物

『第4回日韓NCC-URM協議会報告書』(NCC-URM委員会編 1999年 300円 )

 

靖国神社問題委員会

日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会の歩みとその意義について

この委員会は、「靖国神社法案」作成の準備がなされていた頃、今から30年前に結成されました。靖国法案は廃案となりました。しかし、その後、靖国神社公式参拝がもくろまれ、1985年中曽根元首相は参拝を強行しました。これに対し、アジア諸国の猛反対に遭い、その後、歴代の首相の公式参拝はできなくなりました。

ところが、新ガイドライン関連法案、日の丸・君が代法制化法案、盗聴法等、日本の国を戦争を行うことができる国へと変質させる法案が次々と国会で成立したあと、野中官房長官は突如として、靖国神社を特殊法人化して、首相や外国元首が「慰霊」出来るようにしたい、と発言しました。戦争遂行とその準備の中には、戦死者の処遇が含まれます。どんな靖国法案が提出されるか、注目しなければなりません。宗教法人靖国神社と国が関わりを持ったり、公金を支出することは、政教分離・信教の自由という憲法の大原則に違反します。

この大原則の重要性を知っている委員会は、また「英霊」の慰霊賛美に反対すると共に、天皇の元首化、特別扱いにも反対してきました。元号法案、天皇に神的権威を持たせる儀式である大嘗祭を公的行事とすること、そしてこの夏の日の丸・君が代法制化に反対しました。

大切なことは何でしょう。それは、人間、私たち一人一人が大事にされることです。天皇や天皇の為といって殺されていった英霊が大事にされ、賛美されることではありません。当委員会の働きの意義は、この国にとって真に大きいと自覚し、その働きを続けていきたいと、心から願い、祈ります。

 

部落差別問題委員会

部落差別問題は、以下の内容を中心に活動を進めてきております。

1)教会、キリスト教団体における人権教育の啓発、強化

東京都が毎年6月に推進する「就職差別撤廃月間」にあわせたキリスト者集会を2003年6月から始めました。被差別部落出身者が特に苦しむ問題に、就職と結婚に関する差別があります。その実情を教会、キリスト教団体ができるだけていねいに理解し、差別解決に向けた取組みが出来るようになるための機会としてこの取り組みを継続していきます。

2) 国際人権規約に基づく、国内の部落問題への取組み

日本の最高裁、最高検は、「狭山裁判」に見られる部落差別にもとづく冤罪事件を一刻もはやく解決するよう国連人権委員会から2度にわたり勧告を受けています。当委員会は、その勧告を実質化するために、反差別国際運動日本委員会(IMDAR)、部落解放同盟、狭山東京実行委員会と協力し、毎年5月と10月におこなわれる「狭山中央集会」とその前段キリスト者集会への参加を呼びかけています。

3)キリスト教主義学校における人権教育の啓発

キリスト教主義学校教育における人権教育を推進するために、毎夏、全国キリスト教学校人権教育セミナー(全国キリスト教学校人権教育研究協議会)の運営に、賛同団体として協力参加しています。

4)人権教育テキストの出版、広報

人権教育セミナー開始当初から基本課題とされてきた部落差別問題、在日韓国・朝鮮人の人権など、いくつかの人権課題教育を推進するために、2000年に「いばらの冠」を人権教育テキストとして発行しました。学校の生徒、教会青年一人一人に一読していただけることを強く期待しております。

出版物

『いばらの冠』 改訂版(キリスト教部落問題、人権教育テキスト)
(発行:「いばらの冠」委員会 2004年1月  定価800円+消費税)
『見えない手錠を解く日までー石川一雄さんに聞く「部落差別と狭山事件」』
(発行:NCC部落差別問題委員会 1999年 定価100円)

関連ページ

 

平和・核問題委員会

プロテスタント8教派、カトリック、無教会主義集会、キリスト教団体の委員から構成している当委員会は、「いのちを選ぶ」を合言葉に、人権を侵害し、環境破壊を起こす軍事や原子力発電に依らない平和の構築を呼びかけています。

目標

  • 憲法改悪阻止のために、カトリックを含む37教派・団体が運営する「平和を実現するキリスト者ネット」や、宗教を超えて活動する「平和をつくり出す宗教者ネット」など、エキュメニカルな協働のネットワークの継続し、共に祈りつつ、集会や国会前行動を行う。
  • 日本の軍事問題をアジア(ことに東アジア)の文脈から捉え、NCC国際部門や、協力して平和をつくるための歩みを模索するAPA(アジア平和連合)とも連携し、アジア、さらには世界の教会にも発信し連帯を強める。
  • 原子力行政の問題については、多宗教間でつくる「原子力行政を問い直す宗教者の会」と連携して、宗教者として行政に働きかけを続ける。教会内へいのちの問題として広める。
  • 平和教育(共育)に取り組む。どうすればみんなが喜び合って生きることができるか探るため、子どもたちと共に、平和キャラバン、子ども平和会議などを行う。
  • 委員が、それぞれの平和・核問題に関する活動と委員会活動とを適宜つないで、情報や行動の連携を築く。ネット会議など、地域活動とつながる遠隔地委員の参加方法を工夫する。

 

在日外国人の人権委員会

在日外国人の人権委員会の前身は、1967年に発足した少数民族問題研究委員会です。この委員会は1972年に現在の委員会名に名称を変更しましたが、当初から一貫して在日韓国・朝鮮人の人権獲得をその中心的課題として活動してきました。1970年前後の出入国管理法案への反対闘争をはじめとして、就職差別や民族教育の保証を求める闘い等が行われてきました

1980年代以降は、各地で指紋押捺拒否運動が取り組まれ、その全国的な高まりを受けて、1987年には当委員会も参加協力する形で、各教派・団体や各地の地方組織からなる「外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会(外キ協)」が結成されました。以降、この外キ協と二人三脚で外登法の抜本改正を求める運動を継続してきています。

特に現在、力を入れているのは、1999年に外キ協が発表した「外国人住民基本法案」の推進です。NCC常議員会での推進決議にもとづき、ブックレットやリーフレットを発行したり、セミナーや全国集会の開催など、外キ協と共に取り組みを強めています。

また、韓国NCCの人権委員会など、韓国とも在日の人権をめぐって長い共闘の歴史があり、1999年6月には外キ協等6団体と共催で「21世紀アジアにおける日本-在日-韓国教会の共同課題」を主題に、東京において第7回外登法問題国際シンポジウムを開催したり、韓国教会在日同胞苦難の現場訪問(同年8月 於:京阪神-広島)を受け入れるなど、関係を深めています。

出版物

『<未完>年表・日本と朝鮮のキリスト教100年』(企画:NCC在日外国人の人権委員会 編著:八幡明彦 発行:神戸学生センター出版部 1997年 1600円)
『外国人住民基本法ブックレット-「外国人住民」の権利宣言』
(編集発行:外登法と取り組む全国キリスト教連絡協議会 1999年 500円)

 

「障害者」と教会問題委員会

「障害者」と教会問題委員会は、1981年の「国際障害者年」をひかえた1979年3月のNCC第27回総会で設置が決議されました。以来、教会・社会における「障害者」の完全参加と平等を目標として、委員会活動を行っています。

主な活動としては、毎年11月の第2聖日から始まる週に『「障害者」週間』を呼びかけて学習会や講演会を主催したり、全国のさまざまなキリスト教「障害者」団体同士の交流を促進するために全国キリスト教「障害者」団体交流セミナ-の開催をしています。また年間数回、「障害者」と教会問題ニュ-スを編集発行している他、WCC/CCA等の主催による「障害者」国際会議への代表派遣なども行っています。

さらに、具体的に国際交流を希望して、2002年より韓国の「障害者」委員会との合同交流セミナーを2年おきに交互開催をしています。今後とも「障害者」問題の相互理解を深めると共に、「障害者」としてNCCの基本的理念にかなう働きを求めつつ、活動していきたいと念願しています。

委員会による出版物

(現在、すべて絶版になっております。図書館あるいは古書での購読は可能な場合があります。)
「神の家族-障害者と教会」
WCC信仰職制委員会 発行・翻訳・編集(新教出版社 1981年 1400円)
「みわざの現れるために」
「障害者神学の確立をめざして」
(新教出版社 1993年 980円)
「God Saw It, It Was Very Good- Theology of People with Disabilities」
(NCCJ-CCA編 1996年 1000円 <「障害者神学の確立をめざして」の英訳>)

資料

「教会堂にこんな工夫と配慮を-障害者・高齢者と共にあるために-」
「障害者」と教会問題委員会編 300円

※委員会では、「障害者」という言葉が、「障害」を負う人々に関する適当な表現でないと考え、共通の適切な言葉が見つかるまで「障害者」という言葉をカッコ付きで使用します。

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