信教の自由を求めて キリスト者政治連盟 日本友和会
◆信教の自由を求めて
アジア・太平洋戦争が終わるまで2月11日は、『日本書紀』で神話上の神武天皇の即位の日とされる日で、「紀元節」として国民全体に祝うことを求めた日でした。1940年に日本全国で行われた「皇紀二千六百年」の祝賀行事も、この神武天皇即位の数えによるものです。同年、キリスト教会も「皇紀二千六百年奉祝全国基督教信徒大会」を行い天皇賛美の集会を行い、負の遺産を歴史に刻んでいます。戦後の1966年に日本政府は、2月11日を「建国記念の日」と定め、翌年から「国民の祝日」としました。天皇を現人神として崇め、その権威を強めるために設定された日を再び「国民の祝日」としたことは、国家神道の復活という明確な意思によるものです。かつて日本の教会が、国家神道に迎合し、聖書の神以外の神を礼拝し、戦争協力を行ったことを悔い改め、この問題を克服するために、私たちは2月11日を「信教の自由を守る日」として、信仰の目を覚まし、祈りの時としています。以後政府によって、「元号法制化」、「国旗国歌法」の制定、「教育基本法改悪」、「日の丸・君が代」の強制、道徳の教科化、教育勅語を公教育に再び持ち出す試み、更には「憲法改悪」などの動きが本格化しています。近年は軍備費を倍加させ、新たなる自衛隊の戦死者が出る準備が進められています。
さらに靖国神社への「春季・秋季例大祭」ごとに繰り返される首相の真榊奉納、閣僚の参拝と、年頭の伊勢神宮の参拝とその直後の同神宮での記者会見は、党派を超えて毎年行われています。こうした行為は、国家神道体制を防止するために置かれた憲法の「政教分離原則」に違反します。私たちキリスト者は、歴史の反省に立ち、信じる自由・信じない自由が少数者においても守られ、保障される社会の実現と共に、すべての人が生きるための平和な社会を創るために、この日を覚え祈り続けます。そこで「靖国神社問題委員会」は、毎年「なくせ建国記念の日、許すな靖国国営化2.11東京集会」を後援して、「信教の自由」に関する運動を推進しています。
◆キリスト者政治連盟
キリスト者政治連盟は1975年1月に発足、以来満50年を迎えました。
私たちは「思いを一つにして『伝道の推進!政治の浄化!』」を祈り、結成宣言の「我々は、現実の中でキリスト者として、愛と平和・正義と自由が地上に樹立されん事を祈りつつ、信仰の証しとして、自由にして責任ある発言と行動を、積極的に行なうべき使命を負わされている」を継承して参りました。
今後も「地に平和、御心に適う人にあれ」と祈りつつ、平和・人権・教育・戦後補償・天皇制問題等右傾化急なる中で、私どもの直面する問題に対して、ただその推移を受け身にして押し流されることなく、憲法の基本原理生かし、時の徴を察知して、平和を願う人びとと共有したく、毎月『キ政連』誌を通して発言し、地の塩・預言者的働きを継続して参ります(2024年10/11月号で496号)。
そのほか、年に1度は一泊研修会や講演会を開催、また国会・地方自治体に護憲派議員を送り出し、平和活動を支援することも大切な役目と心得ています。
あの福島での原発事故の十数年前から、チェルノブイリ災害を教訓に、我が国の原子力依存体質を警告、脱原発・自然エネルギーへの転換を訴えて参りましたが、今後も再稼働を許さぬよう見張り役を務めます。
また、特に東アジアの平和を確立するために、韓国教会や北の朝鮮基督教連盟とも連携して、朝鮮半島の和解と統一のためにも祈りを強めます。
世界的には既存秩序が崩壊、覇権主義が力を増す中で、共に生きる社会を目指す「祈りの輪」の一員として、働きを共にされる方のご参加を待っています。
◆日本友和会(JFOR)
当会は1926年、国際友和会(IFOR)の日本支部として設立された非暴力平和団体です。2021年3月をもって95年の歴史を刻み、キリストの精神である和解と非暴力によって国内外の平和実現をめざす活動を行っています。
現在の日本の姿を見ると、集団的自衛権行使を容認し、自衛隊が武装して海外に出て行き同盟国と一体となって戦争に加担する仕組み(安全保障関連法)を作ってしまいました。現政権はそれを正当化するためにいよいよ憲法第9条そのものを戦争の出来る条項に変えようとしています。沖縄においては辺野古に新軍事基地を作るため、あの美しい海が土砂で埋め立てられつつあります。
この様な事態に対し、私たちは以下の祈りの課題をもって歩みを進めています。
1.世界に誇る日本の憲法第9条を戦争の出来る条項に変えることに反対しこれを守り抜く。
2.沖縄・辺野古の新軍事基地建設に反対し、非暴力でこれを阻止する。
3.2021年発効した核兵器禁止条約に批准する事を政府に求め、国内においては原発の再稼働に反対する。
4.国際間、民族間、宗教間の紛争、テロ発生の原因となる貧困や差別、偏狭な民族主義等による分断を回避し、人の命を大切にする基本精神に立ち返り、紛争解決には武力でなく話しあいによる和解の道を模索します。
ホームページ: http://jfor.a.la9.jp/