神は人を自分のかたちに創造された。(創世記1:27a)

ある時、ソンエ・イ・パクさん(Sun Ai Lee Park)という韓国の女性は、アジア・キリスト教協議会(CCA)の職員として働くことになった夫のパク・サンジュンさん(Park Sang Jung)とともに、シンガポールに渡りました。ところが、彼女は按手を受けた牧師であったにもかかわらず、国際機関職員の「妻であること」を理由に労働許可を与えられず、「女性であること」を理由に多くの教会関係団体からも働く機会を拒絶され、大きなショックを受けます。その後、彼女はエキュメニカル運動を通してアジア各地を旅する中で、同じ思いを共有する女性たちと出会います。1982年、「真に信仰的な行為」として、ソンエさんが仲間とともに創刊したアジアの女性キリスト者たちのための雑誌は、『神の像において』(In God’s Image)と名づけられました。すべての人は、「神の像」において平等に創造されているからです。

時は流れて現在、インドの男性牧師フィリップ・ヴィノッド・ピーコックさんは仲間とともに、男性キリスト者たちが「男らしさ」に潜む有害性を見つめ直し、人々と対等な関係性を築いていけるように働きかけています。彼によれば、「神の像」とは全体としての人間共同体に表わされるものですから、神の目から見て、ジェンダー、セクシュアリティ、人種、民族、階級、宗教的経験などについて、どれか一つがその他よりも優れていたりすることはないと言います。

 「神の与えてくださるすべての命を愛する者として」をテーマとするNCCに、今月、ジェンダー正義(gender justice)のためのワーキンググループが発足します。私はこのことを、神さまと、ソンエさん、フィリップさんを含む多くのキリスト者たちからの贈り物のように感じています。

藤原佐和子 書記

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