金性済 総幹事
「わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり/わたしの道はあなたたちの道と異なると/主は言われる。
天が地を高く超えているように/わたしの道は、あなたたちの道を/わたしの思いは/あなたたちの思いを、高く超えている。
雨も雪も、ひとたび天から降れば/むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ/種蒔く人には種を与え/食べる人には糧を与える。
そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も/むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ/わたしが与えた使命を必ず果たす。」(イザヤ書55:8-11)
紀元前6世紀の初めから、およそ半世紀にわたり、バビロニアに強制連行され、捕囚の生活を送っていたイスラエルの民に預言者(聖書学で「第二イザヤ」と呼ぶ)が語りかけた言葉です。
 神からバビロニア捕囚の終わりを告げられた第二イザヤは、神の思い、ご計画が人の思いをはるかに超えており、それは空しく終わることなく、時が巡り来れば、必ず実現することを告げています。
 およそ半世紀にも及ぶ捕囚生活の中で、バビロニアでの捕らわれの生活から解放される日が訪れることなど、捕囚民はほぼあきらめかけていたことが想像されます。そのように諦念の中で凍てついた民の心を溶かし、もう一度、神の御言葉を思い起こさせ、信仰に目覚めさせ、解放への希望を呼び起こさせるために、第二イザヤは、天から降る雨や雪が大地に降り注いだ後、それは空しく消えることはなく、人が忘れたころ、大地の中から新たな芽を吹きださせ、身を実らせる時が来る、という大自然の比喩を用いて御言葉を宣べ伝えています。
 2019年の新春を迎えた私たちにも、人の思いを超えた神の御言葉の約束が春に向かって芽を出し、行われていくことを信じ、私たちを取り巻く厳しい現実に失望せず、希望の道を歩んでいきましょう。

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