2006年7月3日
東日本入国管理センタ-
所長 西尾 満 殿
連絡先:社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
難民担当:柳下み咲 電話03-3518-6777/FAX03-3518-6778
東京都千代田区神田錦町2-2 共同ビル4階
東日本入国管理センタ-における被収容者への処遇改善に関する申し入れ書
私たちは、貴東日本入国管理センタ-に収容されている外国人被収容者の方々と定期的に面会をしている市民団体です。
貴東日本入国管理センターにおかれましては、処遇規則に基づき、可能な限り被収容者への適切な処遇に日々努めておられることと承知いたしております。しかし、私たちは、被収容者との面会を続ける中で、更なる処遇改善を求めて申し入れをする必要を感じております。
貴センターが犯すことの出来ない基本的人権の観点に立って、益々被収容者への人道的な配慮と適切な処遇運用がなされるよう期待し、以下の点を要望いたします。
1.収容中の難民申請者の指名を始め個人情報の一切を、在日当該大使館等に照会する事がないようにすること。
(これは、さる2006年4月21日に、国会議員とアムネスティによる法務省入管局への「イランの庇護申請者に関する申し入れ」の際に、審判課、警備課、難民認定室の各補佐官出席のもとで、「東日本入国管理センターでのイラン人個人情報の在日イラン大使館への提供に関しては、難民申請中の人については、氏名もイラン大使館に提供していないと思うが、東日本入国管理センターに確認する」との返答があったと承知している。)
2.難民申請者に対する、不当な帰国強要行為や発言、強制送還を執行する事がないようにすること。
(本人が自身の身の危険から帰国出来ない旨を伝えているにもかかわらず、「早く帰れ、サインしなさい」と警備官からの強要がなされている、との訴えを受けている。また、係争中の強制送還は、難民申請者に対する裁判を起こす権利の重大な侵害である。
上記2006年4月21日の申し入れの際には、「送還のメドが立たない人は仮放免などしている。裁判中の送還は基本的にしない」との返答を受けたと承知している。)
3. 被収容者が電話を使用する時間帯の制限を緩和し、個別事情を勘案して4時半以降の夜間までの使用を許可すること。
(時間帯の制限によって、時差のある故国への電話や弁護士への連絡に関して、著しい不利益が生じる場合がある。)
4.夫婦・親子が共に収容されている場合には、当人らの申し出に基づいて、最低月に一度以上の面会を、収容所内において適正な時間の確保によって実施すること。また、その権利を、当事者に通知すること。
5.被収容者の夫婦や親子があらかじめ日時を予約して面会する際には、通常の面会室とは別の防御ガラスの無い部屋による面会場を定めて、再開を実施すること。また、その権利を、当事者に通知すること。
通常の面会室1室の増設によって、2005年秋以降、この処遇運用が停止していることは、該当する被収容者らに極めて大きな不利益を生じさせてきている。
6.夫婦・親子が共に収容されている場合、外部の面会者が必要として申し入れた際には、通常の面会室において夫婦・親子共に呼び出して面会できることを原則化し、その権利を通知すること。原則として親子分離の収容はあってはならないと考えるが、やむをえず子どもが児童相談所などにいる場合は、子どもの居場所を必ず通知すること。
子供の居場所を知りたいという被収容者の申し出に対し、被収容者に子供についての情報(居場所・健康・精神状態等)を伝えていない。
7.面会時間内の受付と面会に関して、適正な実施と状況に合わせた弾力的な運用を図ること。
(2005年春以降、複数の被収容者への面会を希望する場合にもその都度受け付け番号を引き直すことによる面会方法を承諾してきたが、昨今、面会者への必要以上の譲歩を求める受付運用がなされていると思わざるを得ない。
特に午前中の受付において、11時半過ぎには、その時点で面会室の空きがあるにもかかわらず、面接時間ではなく被収容者の昼食時間を理由に面会が断られるという現状がある。以前、午前中の面会申請は昼食時間にずれ込むことがあっても一般的に許可されていた。被収容者の事情を鑑みず、正当に受け付けられているはずの午前中の申し込みを、午後1時まで面接待機を強制することは、被収容者の権利を不必要に制限することに他ならない。
職員側の事情で、被収容者の権利が制限されるような事態、つまり午前中の面会申請を午後に許可するような事態を避けるよう要請する。
8.被収容者が、外部医療機関による検査や治療を求める際にはすみやかに対応し、センター専任の医師が「その必要でない」との判断がある場合には、正当な理由を付した「診断書」を当人の要望に基づいて提供すること。
9.仮放免許可がなされた場合には、その時点での当該被収容者の服用していた薬と医師の治療状況を書面で当人に通知し、仮放免後の生活にも支障の無いように配慮すること。
(仮放免によって、長期に服用していた薬が翌日から無くなり、健康上支障をきたす事例がある。センター内の治療と投薬処方の正確な情報を本人にする通知する責任が、担当医にはあると考える。)
10.外部医療機関その他に被収容者を連行する際に手錠と腰紐を用い、治療時にさえ同様の状態で診察に臨むという扱いを即時停止すること。
(従来から「保安上やむをえない運用である」との見解であろうが、連行する際に一律に適応するのはあきらかに過剰警備にあたり、「被収容者処遇細則」第19条、26条,27条に記載される「戒具使用」の事由にはあたらない、無配慮で人道上許されない運用ではないのか。)
11.被収容者によるセンター内の設備への破損行為に関して、個別事情や理由を無視して弁償を求める対応を止めること。
(一例として、2006年4月13日、イラン人H氏が精神的ダメージとストレスによるパニック症状のためにセンター内のガラスを頭部殴打によって破損させた件で、当人に対して弁償する旨の署名を求めたことは、当人の精神状態とそれにいたる状況をかんがみて、センター当局の不当な対応と考える。)
12.独居房・隔離房を懲罰の理由で使用することが無いように、適正な運用が厳密になされること。
以上
東日本入管センター面会支援キリスト教ネットワーク
(アムネスティ・インターナショナル日本、カトリックさいたま教区事務所、カトリック東京国際センター、 難民・移住労働者問題キリスト教連絡会、牛久入管収容所問題を考える会、日本キリスト教協議会)