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「主よ 遣わしてください - 和解と平和の実現のために」
第36総会期(2006-2009) テーマ

チェルノブイリ災害問題プロジェクト

○ 目的と活動内容

チェルノブイリを風化させないことを目的として活動している。1991年に世界教会協議会(WCC)とロシア正教会の呼びかけに応じて、NCCチェルノブイリ災害問題プロジェクトが結成された、当初は、現地の医療支援に重点が置かれていた。

日本の医師の派遣、現地医師の招聘と研修、医薬品の支援、ニュースレターの発行(年1回希望者に送付)、教材作り(1997年に教育部に協力してリーフレットとスライドのセットを作成)、講演会の開催、スタデイツアーなどを行ってきた。また、日本国内の原子力行政の問題に関心を持ち、チェルノブイリに関する協力活動の中で深めてきた理解に基づき、提言活動を行っている。

3年に1回開催するスタディツアーでは、「希望21」などのサナトリウムや病院、こどもの保養施設を見学し、汚染地域にも滞在して被害の状況を確かめている。また、2003年よりNGO「チェルノブイリ子ども基金」が提供する里親制度に参加して、放射能被害を持つ里子を支援している。現在、あらためて現地の教会との協力で、独自の被災者支援事業を行うことを検討中である。

○ 背景

ベラルーシは、欧州最後の独裁国と呼ばれているように、現在も旧ソ連時代のような抑圧的な政治体制が取られている。そのため、チェルノブイリの被災者の国際的な支援は容易でない。例えばビザの発給や支援物資の持ち込みについて、あるいは外国から資金援助を受けて事業を行うことについて、法律が新しく作られたり、どんどん変化したりするのである。また、密告を恐れたり、他者に対して不信感を持ちがちな傾向が一般に広く見られる。青年団への参加が学校で強制されるなど、旧ソ連時代の様相が戻りつつある。

NCCチェルノブイリ災害問題プロジェクトが始まった当初は、ベラルーシの教会は再建が始まったばかりで、まだ国際的な協力関係を組織的に結べる体制がなく、大主教に紹介された神父が運営する診療所に協力するという形をとった。しかし、1994年頃から現地診療所の関心のずれが広がりはじめたため(診療所の対象が被爆者に焦点をあてたものではなくなった)、1999年に診療所との関係は打ち切り、診療所を離れた放射性医療の専門医師との協力に切り替えて、活動を継続することになった。ただそのために、現地の教会との関係は失われてしまった。

一方、1997年に、世界教会協議会(WCC)のイニシアティブで、ベラルーシ円卓会議(Belarusi Round Table)が作られ、ベラルーシ正教会、ルーテル教会、バプテスト教会が構成メンバーとなり、またカトリック教会もオブザーバーとして参加して、現地の教会のニーズと国際的支援を結びつけるための仕組みができた。これはベラルーシで唯一のエキュメニカル機構である。2006年度からはベラルーシ共和国に宗教法人として登録され、「教会間協力によるキリスト教社会奉仕団(Interchurch Mission "Christian Social Service")」と名称を変えた。

2006年9月に実施したスタディツアーでは、このIMCSS (旧BRT)の協力を初めて得て実施され、各地の教会の地域社会での働きを見学した。ベラルーシの正教会には、有志が組織する多くの兄弟団、姉妹団と呼ばれる組織があり、それらが様々な奉仕活動を行っている。プロジェクトが始まってからの、この十数年で多くの聖職者が育っており、教会の内実も回復したことを感じることができた。被害者に関しては、事故後20年経った今、事故が起きた頃、あるいはその直後に生まれて被曝した人たちが10代後半〜40歳ぐらいになり、子どもを生むことや将来への不安などを個々人で抱えこんでいる現実があること、重度汚染地域から強制移住させられた人々、特に農村から都市部に移った高齢者は大きな環境の変化によって生活面でも精神面でも困難を抱えている現実があることなどが分かった。政府は、サナトリウムでのケアを中心とする学校に通う子どもたちへの支援を打ち切りつつあるが、社会人となった世代へはそもそも支援がない。ベラルーシの諸教会と協力して行う被災者支援の事業が実現するよう、ご加祷いただきたい。


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