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JPEPA反対共同声明

2007年10月23日
フィリピン上院外交委員会委員長
上院議員デフェンソール・サンチャゴ 殿

 日本の市民社会は、JPEPA批准に反対するフィリピン市民社会の主張と行動を強く支持し、現状でのJPEPA批准に反対します。

 フィリピン上院外交委員会では、昨年9月、アロヨ大統領と小泉首相(当時)が署名した日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)の批准に当たり、9月14 日から10月8日まで5回にわたり、「貿易と投資」、「経済効果」、「環境」、「人の国際移動」、「憲法問題」について審議を行ってきました。審議会においては、環境、人権、漁業、農業、労働、教育、政治などの問題などに取り組む幅広い組織からなる多くの市民団体が、様々な観点からJPEPAの問題点を指摘し、その批准に反対しています。また、議会の外でもJPEPA批准により自らの生活と権利を侵害されることを憂慮する多くの人々と団体が批准反対の行動に立ち上がっています。

 私たち、環境問題、健康問題、人権問題、農業問題、貿易問題、消費者問題、等に取り組む日本の市民団体は、 JPEPAの関税削減対象リストに有害廃棄物が含まれており、フィリピンへの有害廃棄物輸出の道を開くものとして、日本政府に対し、有害廃棄物を関税削減対象リストから外すこと、JPEPAの交渉経過を明らかにすること、バーゼル条約禁止修正条項を速やかに批准すること、廃棄物の処理を途上国に押し付けず、国内処理を原則とすること-などを求める声明を、昨年11月以来発表してきました(末尾リスト参照)。

 現在、フィリピンの多くの市民団体がJPEPAのさまざまな問題点について指摘し、現状での批准に強く反対しています。私たち日本の市民社会も、JPEPAの抱えている問題点に関するこうしたフィリピンの市民社会の懸念と憂慮に深く共感するとともに、その主張を強く支持します。具体的には、現状のままでのJPEPAの批准に反対します。それは、下記のような問題点を抱えたままでのJPEPAの批准・発効が、決して日比両国民の間の真の平等互恵と友好関係の発展にはつながらないと確信するからです。

1.JPEPAの締結の過程における秘密、非公開、議員を含む利害関係者の排除など、交渉過程における情報公開の問題点。フィリピン憲法における公益事項に関するすべての人々の参加する権利が保証されなければならない。

2.明確な国内法及び国際的約束があるにもかかわらず、有毒で有害な廃棄物が関税撤廃の対象になっていた。その後、問題を鎮めるために覚書が発行されたが、同覚書は有害廃棄物を対象とするだけであった。もし本当に廃棄物貿易を行わないなら、有害廃棄物は関税撤廃リストから削除されるべきである。

3.繰り返されたメディア声明とは逆に、JPEPAの実際の本文は日本の投資家がフィリピンのパートナーを支援するために技術移転する義務を、フィリピンが免除したことを明らかにした。フィリピンはまた、日本の投資家に一定のフィリピン人を雇用することを求める権利を放棄した。この自主的な権利の放棄はマレーシア、インドネシア、及びタイでは行われていない。また、JPEPAの第4条は、もし、国内法及び規制の採択時の状況または目的がもはや存在しないなら、又はもしそのような状況や目的が貿易制限を少なくするやり方で実現されるなら、同協定の実施または運営に関連する又は影響する国内法及び規制を改正する又は廃止する可能性を検討すること"を求めている。このような条項は日本とマレーシア、インドネシア、及びタイとの経済連携協定には存在しない。こうした自主的な権利の放棄、または他国との協定と比べて不利な条項は撤廃されるべきである。

4.看護士や介護福祉士のためにフィリピン行政府によって描かれた楽観的な展望に反して、JPEPAはフィリピンの看護師・介護福祉士の入国と雇用のために極めて厳しい要求を課し、そのことは彼らが日本の市場に参入することを不可能にしている。またもし仮に参入できたとしても、現状の日本国内の受け入れ支援体制では、フィリピン人看護士や介護福祉士が「2 級労働者」として搾取し濫用される可能性が きわめて高い。この点についての根本的な改善が求められている。

5.市場参入という観点から、JPEPAは明らかに日本の農産物と工業製品に有利なように偏っている。フィリピンはコメ(関税分類5品目 5 tariff lines)と塩を除いて、農産物への関税を劇的に撤廃している。一方日本は、広範な水産物、野菜、果物、海草、砂糖及びその関連品、及び履物類を含む 238品目(tariff lines)を除外することができた。交渉担当者によって提起された市場参入の要求について多くの疑義がある。海草について、日本が関税撤廃を約束したある種の海草はフィリピンでは育たないか全く栽培していない。

 JPEPA第27条は、中古の4輪駆動自動車に関連する協力を述べているが、これは、このことを禁止する大統領令(Executive Order: EO)第156号に明らかに違反している。これは同法の有効性を支持した最高裁判断を明らかに無視するものである。交渉担当者は様々な討論の場で国内法は尊重されると繰り返し述べていたが、JPEPAのAnnex 1 は、"両国のどちらかの要求で両国は中古自動車に関する市場参入条件のような問題を交渉しなくてはならないと明確に規定している"。さらに、第27条は日本とマレーシア、インドネシア、及びタイとの経済連携協定には存在しない。この約束は自動車産業の77,000 人の労働者に対する深刻な脅威である。

 JPEPA は経済成長に拍車をかけ貧困を緩和するという行政府の主張とは逆に、日本人に有利な偏向した条項があり、フィリピン人のための明確な国家の開発計画がないので、JPEPAはフィリピンの製造業と農業の終焉を急がせ、国民の多くをより深い貧困に沈めるかもしれない。こうした日比間の経済的な不平等性についての再交渉が求められている。

6.JPEPAは、フィリピンによって現在交渉が行われている一連の自由貿易と経済協力協定の最初のものであり、将来の他国との貿易と投資の協定に先鞭をつけるものであるが故に、フィリピンにとって一方的に不利益であると見なされる現状の諸条項はすべて、フィリピン国民の将来の利益のために見直されるべきである。

 日比両国民の間の真の平等互恵と友好関係の発展を望んでいる日本の市民社会は、フィリピンの市民社会とともに現在のJPEPA批准案の上院における否決と上記の問題点を解決するための日比両国政府間の再交渉を強く求めます。

賛同団体:

アジア労働者情報交流センター・関西
化学物質過敏症支援センター
化学物質問題市民研究会
環境フォーラム市民の会(豊中)
関西フィリピン人権情報アクションセンター
グローバリゼーションを問う広島ネットワーク
ジュビリー関西ネットワーク
市民がつくる政策調査会
全国労働安全衛生センター連絡会議
脱WTO/FAT草の根キャンペーン
地域・アソシエーション研究所
ティナラク織の会「カフティ」
止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワーク
止めよう!ダイオキシン汚染・東日本ネットワーク
人間いきいき研究会
農民運動全国連合会
フィリピン情報センター・ナゴヤ
フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)
フォーラム平和・人権・環境
ATTACジャパン
MMB-JPIC-Japan
NCC(日本キリスト教協議会)フィリピン委員会
Wheelchair's EYE