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第10回日比NCC協議会共同声明

第10回日比NCC協議会共同声明
2008年1月21日-25日
フィリピン、ダバオ

 私たち、フィリピン教会協議会(NCCP)と日本キリスト教協議会(NCCJ)の代表者たちは、イエス・キリストへの同じ告白に結ばれて、第10回日比協議会を開催し、「平和を探し、それを求めよ」という共通の基盤に立って、深い対話を試みた。ここダバオで、ミンダナオにおける米軍の重圧を背景にして、私たちは連帯を深め、「軍事化のただ中における、正義を伴う恒久平和へのチャレンジと展望」というテーマで協議した。

 この5日間の会議において、私たちが見聞きしたことは、サランガニで兵隊にレイプされた先住民の未成年女性に関する証言である。またコンポステラバレーのバナナプランテーションにおける低賃金労働者の証言である。この人々は抑圧されており、その権利を主張したために殺害さえされた人もいる。さらにジェネラルサントスで、日本の巨大な漁船の入港に際して立ち退かされる小さな漁村とマグロの一本釣り漁師たちの証言である。私たちの苦しみが、アジアと世界の人々の苦しみと、いかに関係しているかを私たちは認識した。そして、こうした対話の中で、正義を伴う恒久平和のために働く決意が、新に与えられた。
私たちが日比両国で直面している問題は、一見したところでは異なっているかのように思われるが、この協議会で私たちがより明確に認識したことは、フィリピンにおいてであろうと日本においてであろうと、それら諸問題が帝国支配の構図に、特に管理と支配の道具としての軍事優先で行われている諸政策に、分かちがたく結びついているということであった。

私たちが直面しているチャレンジには以下の事柄がある:

・私たちは戦争と軍事優先政策の暴力に抵抗する。私たちはミンダナオで米軍演習が継続されていること、またフィリピンの他の地域においても米軍が駐留していること、さらにまた沖縄の基地が拡張されることを痛恨に思う。私たちの国が、米国の経済的、政治的利害のために、攻撃され、また戦争の前線基地にされることがあってはならない。
・憲法を改悪し、いかなる武力攻撃の行使をも禁止した憲法9条を廃止することによって、その軍事力を増強しようという日本政府の動きに、私たちは強く抗議する。私たちは憲法9条の規定、つまり「日本国民は・・・国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことに賛同する。
・日比経済連携協定(JPEPA)を私たちは拒否する。これは一方的で不平等な、また欺瞞的協定であり、日本に巨額の利益をもたらすが、明らかにフィリピンの人々の困窮と苦難を悪化させるものである。これによりフィリピンはさらに安価な労働力、安価な資源の供給地となり、余剰製品のみならず有害廃棄物の廃棄場ともなるのである。
・「憲法改正」というフィリピン国憲法改悪の動きを、私たちは深く憂慮する。このような動きは、経済と国の財産をさらなる収奪と搾取へとさらしていく結果となるのみならず、米軍基地の復帰と、権力の座に留まり続けようとする者たちの任期延長を促進させることとなる。
・私たちは移住労働者という形での現代の奴隷制度の状況を嘆き悲しむ。この人々はわらをもつかむ思いで国外の仕事を必要とし、家族のより良い生活を支える為に命がけでその家を離れるのである。
・フィリピンにおける止むこのない政治的殺害とその他の人権侵害を私たちは糾弾する。狙われているのはグロリア・マカパガル・アロヨ大統領の政策を批判する人々である。私たちの協議会は悲しみと義憤に覆われた。2008年1月22日朝、レイテ州マハプラグ合同教会のフィロミノ・カタムビス牧師が、オートバイに乗り、目出し帽をかぶった暗殺者に銃殺されたというニュースを知ったからである。

「正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神と共に歩むこと」(ミカ6:8)という御言葉に招かれ、また、キリスト者の生き方とは奴隷のくび木に二度と繋がれないことであるというパウロの励ましの呼びかけに鼓舞され、私たちはこれらの問題とチャレンジを、私たちの教会と私たちの民が、考え、行動するように伝えることを明言する。

私たちは:
・日本、フィリピン、そして他のアジア諸国に駐留しつづける米軍への抗議運動をする。
・日本国憲法9条が保持されるように、またフィリピン国憲法改悪に抗する戦いを支援する。
・それぞれの政府にJPEPAを拒否するよう要求する。
・移住労働者とその家族の必要を満たし、支援する働きに、それぞれの状況と脈絡の中で、より力を入れて取り組む。
・「ストップ政治的殺害」への呼びかけ、またフィリピンにおける他の形での人権侵害阻止の呼びかけをする。
・これらの問題とチャレンジにおいて協力を促進するために、新たに宣教師交換プログラムを行う。
・それぞれの協議会において、女性の課題のためのプログラムを取り入れる。
・両協議会は、以上の事柄を計画し、実施する上で共働していく。

 アジアにおける米国覇権に関する共通経験と、私たちをリンクする他の問題(例えば移住労働、侵略的開発等)とチャレンジを考慮し、私たちは韓国NCCの姉妹兄弟に三者協議を要望する。それを通して、正義を伴う恒久平和の闘いのため、お互いの物語と経験を分かち合い、互いに鼓舞し合うことができるだろう。
また私たちは、アジアキリスト教協議会(CCA)が、この分野の働きのために、より率先的な役割を取るよう促したい。
 私たちはまた、日比NCC協議会の構成メンバーが、引き続き、私たちの社会を取り囲む諸問題に、積極的に取り組むことを望む。

 この協議会を締めくくるにあたり、私たちは引き続き希望を抱き続け、また闘い続けることを、ここに確認する。