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米国教会の皆さまへの書簡-普天間基地にかんして

米国の教会の皆様

日本キリスト教協議会から主にあって平和のご挨拶を申し上げます。
いま日本で起きている、米国と日本の関係に関わる重要な事柄、沖縄における米軍基地の問題について、米国のキリスト者の皆様に知っていただきたくお便り申し上げる次第です。

現在日本は大きな選択を迫られています。日本の最南端にある沖縄県には、米軍基地がたくさんあります。沖縄県の面積は、日本の国土面積の0.6%しかありませんが、日本全土にある米軍基地の75%がそこに集中しています。
その米軍基地のひとつ、普天間飛行場は宜野湾市にあるヘリポート(?)基地で、市の真ん中に、しかも25%もの面積を占めています。民間の住宅地が隣接しており、ラムズフェルドが「世界で一番危険な基地」と言ったことでも有名です。普天間基地の返還は市民の昔からの悲願でした。

1996年、普天間基地返還の話が決まりました。みんな喜びましたが、すぐにそれがまやかしだと分かりました。代替地を用意しろという話だったのです。代替地に選ばれたのは名護市辺野古という、小さな漁村でした。このサンゴの美しい海、人々が生きている海、ジュゴンの住んでいる海を、埋め立てて、戦争の基地を作ろうとしているのです。
まず、おじぃやおばぁたちが基地建設阻止のための座り込みを始めました。座り込みはたくさんの市民やキリスト者を加えて、現在も毎日続いています。宜野湾市長や市民も、「こんな基地はどこにあってもならない。宜野湾からなくなるのは嬉しいが、同じ苦しみを新たに誰かに味わわせてはならない」と言っています。ときに、暴力的な建設を進めようとする政府に対し、非暴力の阻止行動は、命がけになることもあります。けれども、辺野古で私たちはこんな言葉を聞きました。
「私たちは基地建設に反対しているだけではなく、戦争をここで阻止しているのだ。そして実際10年以上、戦争を止めてきたんだよ。」
「被害者になることは我慢したりあきらめたりすることもできる。けれど、基地をおくことで戦争を生み出す加害者になることは我慢ができない。」
「戦争には勝者はいない。勝っても負けても傷を負う。けれど命を守る戦いに敗者はいない。基地建設ができなかった人たちも、『命を守る選択をできた』と共に喜ぶことができる。」
「必ず勝つ方法が1つだけある。それは勝つまで続けること」

日本キリスト教協議会は、戦争のための新しい基地を沖縄に作ることに反対しています。新基地建設によってこれ以上沖縄を苦しめてはなりません。同時に、県内外を問わず基地の受け入れ先を差し出さねばならないような現在の状況をこれ以上続けさせてはなりません。沖縄を、そして日本を戦争に加担させてはなりません。
私たち日本のキリスト者は、「正義」と「平和」は一心同体だと信じています。正義を貫くために平和が脅かされるのは、本当の正義ではありません。イエスが「平和を実現する人たちは幸いである」(マタイ5:9)と語ったのは、武力ではなく、信頼とたゆまない対話によってのみ実現する平和を語っていると私たちは信じているのです。武力によって平和は作れません。

沖縄県議会は、普天間基地の県内移設に反対する声明を出しています。
政権の替わる前の日本政府は、「アメリカが必要だと言っているから止めるわけにはいかない」と言っていましたが、現在の政権は選択を迫られています。
どうぞ、このことを知ってください。知って、祈り、そして米政府に呼びかけてください。これは戦争で苦しんだ経験のある沖縄県民の必死な呼びかけであり、また日本に住む、平和を求める全てのキリスト者の心からの願いです。

「慈しみとまことは出会い、正義と平和は口づけし、まことは地から萌えいで、正義は天から注がれます。」詩篇85:11,12

皆様の上に神様の平和と祝福がありますよう、心よりお祈り申し上げます。

   2010年5月21日      日本キリスト教協議会 議長 輿石 勇 
                     平和・核問題委員会委員長 平良愛香