内閣総理大臣 鳩山由紀夫様
高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開に強く反対します
14年以上にわたり停止していた高速増殖炉「もんじゅ」が運転再開されようとしていることに対し、私たち日本キリスト教協議会平和・核問題委員会は以下の理由から、強くこれに反対します。
1.あまりにも運転再開の準備が整っていません。
「もんじゅ」は1995年に事故を起こした後、点検不可能な部分がたくさん残っているにもかかわらず、運転を再開しようとしています。また、多くの点検漏れがあることも明らかになっています。例えば、燃料集合体からは炉心燃料体とブランケット集合体それぞれ1体ずつしか検査をしていませんし、安全性総点検をしているにもかかわらず、原子炉室からの排気ダクトの腐食による穴あきや減肉が放置されていました。このままではどう考えても再開準備ができているとはいえません。
2.「もんじゅ」は危険性が膨大であり、経済的にもなりたちません。
「もんじゅ」はほかの原子力発電所とは比べても、さまざまな危険性をはらんでいます。非常に放射能毒性の強いプルトニウムを使用する危険性、構造上起こりうる核分裂連鎖反応による暴走事故の危険性、水に触れるだけで爆発を起こすナトリウムを冷却材として大量に使用している危険性とそのナトリウムの性質上、熱衝撃を防ぐために配管や機器の肉厚を薄くしなければならず、地震に弱い構造になってしまっているという危険性などです。しかもその建設や維持管理には巨額の費用が必要であり、停止中ですら、維持管理費に年間約200億円かかっていることが分かっています。これでは「運転再開」どころではありません。一刻も早く「解体」すべきです。
3.「もんじゅ」にはあらたな核武装の準備となる危険性があります。
実際、安全性・経済性の面から全くメリットのない「もんじゅ」をこんなにも動かしたがっているのは、そこで得られる核武装の材料が目的なのだと疑わざるを得ません。そうでなかったとしても、核兵器に最も適した超核兵器級プルトニウムを容易に入手できるようになります。「もんじゅ」の運転再開は近隣諸国はもとより、世界の核情勢に緊張をもたらします。日本が「核武装できない国」から「核武装できる国」になりつつあります。武器を捨てて、平和を実現させようとしている私たちの思いとはまさに逆行するものです。
今、世界はすでに、高速増殖炉開発から撤退し始めています。14年以上の停止中に「もんじゅ」の機器等の劣化も進行している現在、存在意義が全く失われている「もんじゅ」の運転再開に強く反対し、政府及び原子力関係機関に以下のことを要請します。
①高速増殖炉「もんじゅ」の運転を再開させず、一刻も早く廃炉にしてください。
②日本のエネルギー政策を再検討し、安全で持続可能なエネルギーの開発に力を入れてください。
2010年4月27日
日本キリスト教協議会
平和・核問題委員会委員長 平良愛香