2010年4月9日
申し入れ書
総理大臣 鳩山由紀夫さん
NCC(日本キリスト教協議会)平和・核問題委員会
委員長 平良愛香
私たちは、日本の31のキリスト教団体のネットワークである、日本キリスト教協議会、平和・核問題委員会です。私たちは、地球上の全ての人間、そして生き物たちが、安心して平和に生きることができるようになること、また人間が互いに支えあい、平和を作り出す存在となることこそが神から人間に求められていることであると信じ、日本政府に対し、強く申し入れ致します。
今日本は大きな選択を迫られています。世界が軍隊と武器によって脅かされ続けることに新たに加担するのか、それとも、話し合いによって和平は実現するのだという崇高な理念を信じて、軍事基地削減の一歩を踏み出すのか。
現在鳩山民主党政権は、沖縄県宜野湾市にある米軍普天間基地の返還にあわせて、基地移設の計画を出しています。普天間基地が返還されるのは沖縄の民衆の悲願です。しかし、人々が望んでいるのは、「基地の返還」であり、たらいまわしではありません。それは昨年の沖縄県議会決議や今年初頭の名護市長選でもはっきり示されたことです。
そもそも沖縄は「新しい基地を作ることで負担が軽減する」とは最初から思っていません。沖縄戦で耐え難い苦しみを経験した沖縄は、それ以降も度重なる基地被害に苦しんできました。また同時に、「軍隊は平和を生み出さない」ということを幾度も体験してきたのです。9・11事件の直後、沖縄への観光客は激減しました。平和学習のツアーすらキャンセルが相次ぎました。基地があるということは、戦争に巻き込まれる恐れがあるということなのだと、みんなが知っていたからです。また、あの悲惨な沖縄戦のときに戦禍を免れたのは、「軍隊がいると戦争が起きるから」と言って日本兵の上陸を拒否した前島という小さな島でした。沖縄の人は、基地があるからこそ戦争が起きるのだということを痛いほど知っています。沖縄の人々は新しい基地の建設や基地の強化を全く望んでいません。その気持ちは、平和が実現することを祈り願っている私たちとっても同様です。
武力で平和は実現しません。実際、戦争が起きたときに真っ先に狙われるのは軍事基地です。これ以上沖縄を標的にしないでください。これ以上沖縄を戦争に巻き込まないで下さい。これ以上沖縄を戦争の発信基地にしないでください。沖縄はこれ以上被害者にも加害者にもなりたくないのです。平和は武力ではなく、話し合いによって実現するという憲法の理念を信じてください。
私たちは、アメリカを含めて世界のどの国も「争いではなく平和を求めている」ということを信じています。ですからこのときこそ、軍縮の一歩を踏み出せずにいる米国の後押しを日本がすべきではないでしょうか。日本が憲法の理念にたち、世界の平和の実現を推し進めていくために、改めて次のことを申し上げます。
武力ではなく、話し合いによって平和は実現するのだという憲法の理念を、今こそ実質化し、沖縄の苦しみを増大させている、普天間基地を即時閉鎖させて、沖縄から米軍基地を撤去してください。