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朝鮮半島の平和・和解および再統一に関する国際会議-ツェンワン・コミュニケ

朝鮮半島の平和・和解および再統一に関する国際会議:
東山荘プロセスに続くエキュメニカルな視点にむけて

ツェンワン・コミュニケ

1.世界中から集った137名の教会指導者たちは、本日、朝鮮半島の平和・和解および再統一という目標にむけたエキュメニカル・コミュニティの決意を新たにした。

2.1984年、日本の東山荘で世界教会協議会(WCC)の国際委員会およびアジアキリスト教協議会(CCA)により開催された会議は、分断された朝鮮半島の平和的再統一にむけて取り組むための初めての集いであった。この東山荘会議25周年を記念し、WCCならびにCCAは、2009年10月21日から23日にかけ、韓国・北朝鮮ならびに世界中からの参加者を、香港・ツェンワンに集めた。ツェンワン会議では、南北朝鮮の教会からのプレゼンテーション、WCC事務局長のサミュエル・コビア牧師からの基調報告、過去25年間にわたる進捗の総括、政治評論家からの意見提供、南北朝鮮の教会指導者が主導した共同の聖餐式などが行われ、参加者は、礼拝、聖書研究、そして、平和的再統一という目標への神の導きと啓示を求める祈りをともにした。

3.東山荘プロセスの、癒しと和解の精神は、ツェンワン会議の全期間を通じて参加者に支持された。参加者は、「朝鮮半島の平和と再統一」についての方針に関するWCCの1989年声明を想起した。この声明は、WCCによる1983年の「平和と正義に関する声明」に触れることで始まり、続けて、「平和、正義そして結束への切望は、朝鮮半島の場合において最も痛烈に、また独特な形で集中している。朝鮮半島の人々は、外国の軍隊により分断され、また現在も強制的に分断され続け、抑圧的な支配体制のもとにおかれている。この支配体制が、分断を固定化させ、同時にその分断によりその支配自体を正当化している。朝鮮半島では、対立する正義の概念が作り出されシステム化されており、『安全保障』という言葉で継続的な対立状態が強いられている。いわゆる『平和』は、世界一の軍事力の集中という代価によって、保たれているのである。」(1989年WCC声明)としている。

4.今回の会議では、東山荘以来達成された、以下を含む多くの積極的進展が認識された。
・諸教会指導者が朝鮮民主主義人民共和国を訪問する機会ならびに朝鮮民主主義人民共和国の諸教会指導者が他国を訪問する機会、とりわけ、南北朝鮮の教会指導者が面会し、相互理解・信頼関係を構築する助けとする機会があったこと。
・6・15南北共同宣言(2000年)、ならびに再統一への道筋をさらに明確にした10・4宣言(2007年)により、南北朝鮮政府が再統一に向けたプロセスに取り組んできたこと。
・人的交流、家族再会、観光、資源の共有および経済協力による、南北朝鮮の人びとおよび両政府の間の交流の増進
・南北朝鮮の間の、理解と信頼の深まり

5.しかしながら、近年において、再統一プロセスを脅かす問題も生じてきた。それらは、以下のものを含む。
・他の国の側、とくに米国また日本からの、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に対する敵意。これは、さらなる軍事力への依存と軍事的脅威につながってきた。
・韓国の北朝鮮に対する態度ならびに政策に急激な変化をもたらした、2008年2月の政権交代。
・北朝鮮への観光業の停止、ならびに経済協力の低下

6.イエス・キリストの福音により、キリスト者はすべての形態の悪、不正義および苦しみと闘い、世界の結束と神の正義のため祈り働くべきであると、ツェンワン会議参加者は強く確認した。朝鮮半島の人びとは、強制的分断によりあまりに長く苦しんできた。彼ら彼女らは、ひとつの民族、ひとつの文化、そしてひとつの国であるにもかかわらず、いまだに分断され続けている。彼ら彼女らが、平和のうちに、互いを受け入れながら、再び一つになることが、正義の名のもとに求められる。朝鮮半島の人びとが自らの平和的再統一に向かうプロセスの中で前進することを阻み、また互いの未来をともに形成することを阻むような、政策、先入観や圧力とは、世界の他の国々は距離を置く必要がある。

7.東山荘会議の精神にのっとり、また東山荘で宣言された方針・課題をさらに前進させることを目指し、ツェンワン会議では、エキュメニカル・コミュニティが再統一への以下のような新たな取り組みを支持することを約束した。
・南北朝鮮が、6・15南北共同宣言ならびに10・4宣言を完全に履行すること
・国連安全保障理事会決議1874のもとのDPRKに対するすべての制裁措置の撤回を呼びかけること。同時に、決議1874は、人道支援および持続可能な開発への支援を許容していることを留意すること。
・「プロセスとしての再統一」というコンセプトを推進すること。このコンセプトには、平和的共存のための革新的な取り組み、さらなる経済協力、および、完全な再統一にむけた南北朝鮮間の同盟などが含まれうる。
・現在の緊張状態を緩和するため、直ちにDPRKと米国との二国間協議を行うこと。
・DPRKと日本との国交正常化を呼びかけること。
・米国に対し、DPRKに対する敵対的な政策を撤回するよう求め、また、朝鮮半島内部および周辺におけるすべての多国籍軍事行動の停止を提唱すること。
・南北朝鮮間で、緊張関係の緩和にむけた、また、平和・和解および再統一にむけた直接対話を行うための場と時間を許すよう、国際社会に推奨すること。
・あらゆる核兵器のない世界に向けたWCCの声明やイニシアチブを支持すること。
・南北朝鮮のキリスト教徒に対し、2013年に韓国・プサンで開催される第10回WCC総会を、平和と再統一への努力の折り返し地点とし記念するよう、推奨すること。

8.朝鮮半島の、分断された人びとが、速やかに再び一つになることは、ツェンワン会議参加者すべての切なる願いである。私たちは、再びひとつの民族・ひとつの国となった喜びと感謝を、朝鮮半島の人びとが、他のすべての国の人とともにできる日を待ち望んでいる。

「私たちをご自分において一つとし、敵意という隔ての壁を取り壊し、ご自分のうちに新たなひとりの人を創り、十字架を通じてすべての人を一つの体として神と和解させ、それにより敵意を滅ぼされた、私たちの平和の主であるキリスト・イエスのみ名において…」(エフェソの信徒への手紙2:13-16より)
香港・ツェンワン
2009年10月23日
[翻訳:小笠原公子]