記事一覧

第2回9条アジア宗教者会議 声明

東京からソウルへ-第二回9条アジア宗教者会議声明

第一回9条アジア宗教者会議は、アジアや世界における宗教界の指導者たちの参加によって、2007年11月29日から12月1日まで東京の在日大韓YMCAにて開催されました。会議を主催したのは、日本の軍国主義化をめざす政府の動きに対して対抗する日本の諸宗教団体でした。会議によって9条の精神の示す平和と非暴力のための諸宗教の連帯が意義深い形で形成されました。
 
2008年の10月には, フォローアップのために日本で組織された運営委員会が、東京で開催した会議において、第一回会議の提起した諸提言を実行するために、国際作業部会(IWC)が立ちあげられました。IWCは、第二回会議をNCCKを含む諸宗教団体を主催者としてソウルで開くことを決め、第二回会議において表明され承認されるべき「ミッションステートメント」(私たちの使命文書)を準備するための協働のプロセスを始めました。

さらに、IWCによって確認された決議に基づき、2008年12月には、オバマ大統領に以下を要求する手紙を送りました。
1)米軍再編と米軍の存在について検討し、考え直す
2)9条の改変について日本政府に圧力をかけない
3)東アジアにおける平和と安定を保障するような新しい総合的な政策の実現
4)日本の非武装と米軍の撤退
5)第一歩として、東アジアの非核化のビジョンを促進する
第二回9条アジア宗教者会議は、オバマ大統領に対するこれらの要求を改めて確認します。

仏教、キリスト教、イスラム教の信仰共同体を代表する80名以上の宗教指導者たちの参加を得た第二回9条アジア宗教者ソウル会議において、日本やそれ以外の東アジアの現状、また軍事力の存在と行使によって悪影響を及ぼされている地域共同体からの報告が分かち合われました。私たちの考察と話し合いによって以下の点が明らかにされました。

1)9条を支持することは、宗教と政治の関係に変化をもたらした。この意味で、信仰共同体は公共の関心事の分野において、真に信仰を生きることの意味を改めて学んだと言える。
2)9条の提起した課題は、信仰共同体が平和に関して公に信仰的立場を持つ初めての機会となった。
3)9条の支持を通して、諸宗教間の連帯が創られた。
4)9条運動は、宗教者たちと市民平和運動体との間に新たな連帯をもたらした。
5)多くの人々は、9条を民衆運動の課題とすることを改めて確認している。
6)9条は、東アジア共同体の未来を志向する中心的価値として、これまでにないほどの地域的また国際的に有意義なビジョンである。
7)隣国に侵略を行った国々は、持続的平和を作り出すために関係を正す責任を持つ。9条は、紛争解決のために、真実究明と和解が必要であることを思い出させる。
8)日本は一国平和主義を乗り越えて、隣国を含めた平和構築に参与しなくてはならない。
9)東アジアにおける戦後の繁栄と成功の競争は、新しい形で地域を分断した。
10)9条は、その分断された人々を、より十全な平和理解へ招いている。憲法前文の謳う平和的生存権は、憲法25条が示す恐怖と欠乏からの自由という権利に由来する。全ての人々が、恐怖と欠乏から自由である平和的生存権を行使する世界を創造するために努力することが求められている。

9条の精神を進展させるために、私たちは以下の課題を積極的に追及することを決意します。

1.戦争の非存在というだけではなく、正義と人間の尊厳に基づく平和概念を広める。
2.より精力的に世代を超えた平和教育を行うこと。(例えば、子どもたちや、若者、大人。)
その教育は、体験学習、宗教間対話、平和教育の指導者を育てることや創造的なメディアの活用などを含む。すべての人々が、政府が責任をもって法律を遵守することに関心をもち、行動しなければならない。
3.日本人が、彼ら自身の言葉で憲法9条の精神を解釈し、実践する努力を助ける。
4.フィリピン、ミャンマー、スリランカ、パキスタン、インドネシアなど、紛争と軍事力によって悪影響を及ぼされている地域共同体に平和ネットワークを構築し、広げる。
5.米国による支配とアジアにおける平和構築の関係についての研究を深める。
6.大国間においても、世界のどの場所においても、核兵器廃絶を支持する。
7.米軍基地と自衛隊の存在は、憲法9条に反する現実として積極的に反対を推し進める。
8.軍事化と紛争に影響を受けている共同体において、諸宗教間対話を促進する。
9.エキュメニカル・アドボカシー・デー(ワシントン2010年3月)と国際エキュメニカル平和会議(ジャマイカ 2011年)において、9条キャンペーンを取り上げることを勧める。
10.朝鮮半島の再統一に向かうあらゆる努力を支持する。

 私たちは、すべての信仰共同体がこの声明文を、祈りのうちに深め、支持し、個人としても、共同体としても、積極的に行動するように勧めます。

2009年12月3日 韓国・ソウル・アカデミーハウスにて