2008年4月10日
法務大臣 鳩山邦夫 様
日本キリスト教協議会 総幹事代行 輿石 勇
幹事 木谷英文
本日の4名に対する死刑執行に強く抗議します。
「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」
(コヘレトの言葉3章1節)
鳩山邦夫法務大臣が、本日東京拘置所の坂本正人さん、岡下香さん、大阪拘置所の中元勝義さん、中村正春さんの4名に死刑を執行したことに強く抗議いたします。法務省は、「死刑確定者は、確定判決後6ヶ月以内に、刑を執行しなければならない」ことを法の理念のもとに正当化し、この間毎月のように死刑を執行し続けています。法務省が、「法の理念」の下に死刑執行を行うときを「定められたとき」と言うならば、私たちキリスト者は、それに対し「ひとりひとりのいのちは、神が祝福のうちに世に与えたいのちゆえ、生まれるときも、死ぬときも、神の福音のもとに定められたときにある大切ないのち」と考えています。神は、人が他者のいのちを奪う過ちを仮に犯してしまったとしても、そこには死刑を確定させられた者が背負わされてきた、また背負ってこざるを得なかった「痛み、苦しみ、存在価値の否定、関係づくりの拒絶」といった被害体験が必ず含まれていることを知っておられます。そして神は、加害の現実のみならず、その被害体験をも公にし、癒していく時と場を、死刑を確定された者に与えたはずだと言えます。
いのちを奪った加害者になぜ「癒しの時と場」が保障される必要があるのかという世論や被害者遺族の怒りは当然だと言えます。しかし被害者や被害者家族が一番求めているのは、いのちを奪った加害者からの「真の謝罪」であり、その謝罪の中には愛する者のいのち奪ったことに対する誠実な応答が求められています。そしてそれをもって加害者がいのちを奪う道になぜ巻き込まれてしまったのかという事実を伝え合うことが必要だと言えます。
本日国家の名の下に4人の死刑が執行されたことに対して、私たちは、神の与えたいのちの枝に繋がりあいながら、強く抗議いたします。