米国大統領 ジョージ・W. ブッシュ様
駐日米国大使 ジョン・トーマス・シーファー様
内閣総理大臣 福田康夫 様
防衛大臣 石破茂 様
日本キリスト教協議会
平和・核問題委員会 委員長 平良愛香
女性委員会 委員長 丹野信子
在沖縄米国海兵隊員による女子中学生への強かん事件に強く抗議します
2月10日、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー所属のタイロン・ルーサー・ハドナット2曹兵士による女子中学生(14歳)強かん事件が起こりました。
私たちは、この女子中学生に対する強かん事件に対して、重大な人権侵害であると受け止め、強く抗議いたします。
戦争が終わって63年。しかしそのかげに、未だ戦争の痛手から逃れられない人々がいることに対し、「まだ戦後は終わっていない」「今こそ戦後を終わらせるために」という言葉が用いられることがあります。一方、現在の日本や世界の状況がどんどん軍事力に頼る方向に向かっていることへの危惧から、「もはや戦後ではない。戦前である」「戦争を始めないためにも」と言われることもよくあります。しかし今回、私たちはあらためて、「戦争は終わっているのではなく、また始まろうとしているのでもなく、今も続いている」と感じさせられています。
戦争では常に女性や子どもたちがまず犠牲になります。未だに解決されない日本軍「慰安婦」問題が、その象徴といえるでしょう。私たちは軍隊が決して住民を守らないことや安全を保証しないこと、むしろ監視したり抑圧したりすることを、沖縄戦や日本軍「慰安婦」問題から学び取りました。そしてそれと同じことが今も続いているのです。陸上自衛隊の情報保全隊が『反自衛隊的』とみなす市民をいまだに監視していることでもそれは明らかです。これは戦争以外の何ものでもありません。そもそも軍隊というのは殺人の装置であり、人間を人間と思わせないよう訓練・教育しているのですから、このようなことが起こるのはいわば当然の結果です。2度と過ちを繰り返さないと言葉で言っても、軍隊そのものがなくならなければ起こりうることなのです。軍隊の存在は女性への性暴力を引き起こし、人々の不安を増大させるものです。中学生という若い女性が受けた性暴力は、基本的人権の侵害にほかなりません。軍隊を駐留させるその責任の重さを実感してください。
究極的暴力の装置としての軍隊・戦争をやめる方向にすべての政府が方向転換しなければ何の解決にもなりません。
基地は要りません。戦争で平和はつくれないのです。私たちは、沖縄はもとより、日本のどこにも米軍基地を必要としていません。私たちはあらゆる犠牲を沖縄に押しつけていることを懺悔しつつ、2度とこのようなことが起こらないためにも、またこれ以上私たちが加害者にならないためにも、沖縄・日本からの米軍基地撤退を強く要求致します。今も続いている戦争を終わらせなければならないのです。
今回の事件は氷山の一角でしかありません。私たちは、今回の女子中学生、またこれまで被害にあった多くの少女や女性たちの計り知れない心身の傷の深みと痛みを思い悲しむとともに、日米安保条約のもとに基地の存在を合法化し、日常的な米軍による暴力を放置し続ける日米両政府に対して抗議し、以下を強く求めます。
日米両政府は、
1.再発防止策を直ちに実施すること。被害を受けた少女への謝罪と補償、加害米兵の厳正なる処罰を行うと同時に、階級によらずすべての米兵の行動の管理および規制を徹底強化すること。
2.沖縄・日本への米軍の配備強化を中止し、すべての米軍基地を撤退させること。
3.憲法違反である日米安全保障条約を廃棄すること。
日本政府は、
1.容疑者であるタイロン・ルーサー・ハドナット2曹兵士を地位協定によって米国に引き渡すことなく、日本の国内法によって厳しく罰すること。
2.被害を受けた少女への精神的ケアーを十分に行うこと。
3.日本国憲法第9条を遵守し、憲法違反である自衛隊を武装解除すること。
2008.2.21