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ガザのクリスマス

■□■ NCC 国際エキュメニカル・ニュース 2006.1.26 No.72 ■□■

─目次──────────────────────────────
■1. イスラエルの人権団体ベツェレムによる報告
■2. ガザのクリスマス

☆ パレスチナにおける緊急人道支援の働きのため、お祈りと募金へのご
協力を宜しくお願いします(ACT APPEAL MEPL61 rev.2)。
http://ncc-j.org/diarypro/archives/170.html
募金送り先:郵便振替 00180-4-75788 名義 日本キリスト教協議会
* 通信欄に件名をご明記ください。

☆ 2006年11月にACTのPaul Jeffrey氏によって撮影された写真:
http://gbgm-umc.org/umcor/actphotos/opt6/

2006年1月に国際社会の注視の中で民主的に行われた評議会(議会)選挙で
ハマスが勝利して以降、パレスチナは、国際社会によって援助の停止など
の厳しい制裁措置を科され、またイスラエルによる締め付けや軍事攻撃を
受けて追いつめられ、人道的危機にさらされているばかりか、激しい内紛
状態に陥ってしまいました。今号のエキュメニカル・ニュースでは、そん
な中でガザで迎えられたクリスマスについての報告を紹介します。また、
イスラエルの人権団体ベツェレムが年末にまとめた報告を紹介します。

なお、このような状況を受けて、世界教会協議会は、2006年9月に開かれ
た中央委員会で、パレスチナ・イスラエル・エキュメニカル・フォーラム
を立ち上げることを決議し、2006年12月に準備会合が持たれました。2007
年5月に中東紛争に関する国際会議が開かれ、そこでフォーラムが発足す
ることになっています。

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■1. イスラエルの人権団体ベツェレムによる報告

イスラエルの人権団体ベツェレムが昨年末に発表した報告によると、イス
ラエル・パレスチナ紛争による2006年の死者は683人、その内660人がパレ
スチナ人、17人がイスラエル民間人、6人がイスラエル兵士でした。660人
というパレスチナ人死者数は、2005年の3倍以上です。2005年は197人でし
た。

特に、2006年後半、1人のイスラエル兵士の誘拐事件が起きた後、ガザだ
けで405人のパレスチナ人が殺害されています。その内の88人(22%)は子
どもで、205人は殺害時にいかなる敵対行為も取っていない人たちでした。

また、イスラエル国防軍は、292軒(内、ガザで95軒)のパレスチナ人の
家を破壊しました(1769人が住んでいました)。他に、東エルサレムで、イ
スラエル政府の許可なく建てられた42軒のパレスチナ人の家が壊されまし
た(80人が住んでいました)。

2006年11月の時点でイスラエル政府は9075人のパレスチナ人を拘留してい
ました。345人は子どもです。この内、22人の子どもを含む738人は、理由
も全く知らされず、裁判も行われることのない行政拘留によって囚われて
います。

西岸地区における移動の自由も、より厳しく制限されるようになったと報
告しています。現在、西岸地区には54の常設の検問所があり、他にヘブロ
ン市内に12の検問所があります。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)による
と、これら常設の検問所の他に、西岸地区全体にわたって毎週160箇所に
臨時の検問所が設けられています。検問所の他にも、イスラエル国防軍は、
コンクリートのかたまりや土嚢を置いたり、塹壕を掘ったりして、パレス
チナ人が村から村に移動するのを遮っています。イスラエル政府が西岸地
区に建設した41の道路は、イスラエル人は自由に行き来ができますが、パ
レスチナ人は使うことができません。

※ ベツェレムの報告:
http://www.btselem.org/english/Press_Releases/20061228.asp

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■2. ガザのクリスマス(カリタス・エルサレム 2007/1/19)

治安が乱れ、争い、殺人、強盗事件が頻発し、仕事をしている者たちは給
与をもらえず、学校を卒業した若者たちは希望を失い、子どもたちは勉強
に背を向け、状況はますます深く混沌の中に陥っています。それがガザの
状況です。

がっくりくるそのような状況で、ガザの人々はどのようにクリスマスを祝っ
たのでしょうか。クリスマスを迎えるにあたって、どんなを期待をもった
のでしょうか。クリスマスは、全ての人々が新しい生活を始め、神の御許
に近づく機会です。進行中のひどい事態にも関わらず、ガザのクリスマス
は、殺害が止み、状況がよくなることへの期待をもって迎えられました。

ガザの72歳のキリスト教徒、ポール・スウェイレムさんは言いました。
「このクリスマスは、いつもと違っていました。私がしたことは、教会の
礼拝に出席したことだけです。ガザの住人で、例年のようにクリスマスを
祝った人は1人もいないと思います。」

町に出ることは危険に満ちていますが、それでもスウェイレムさんは教会
に行きました。クリスマスの時期には互いに知人の家を訪問しあいますが、
家に来た訪問客はこれまでになくわずかでした。クリスマスツリーも飾ら
ず、食事も特別なものを用意しませんでした。

「妻と教会に行くため町に出ると、通りには銃を持った人がたくさんいま
した。問題なのは、その彼らが何者であるか分からないことです。たくさ
んのグループに分かれていて、それぞれ異なる軍服を身につけています。」

「毎年、私たちは、“次のクリスマスには、よくなっているだろう”と言
い合います。でも、今は、本当にそうだろうかと思ってしまいます。気が
挫けるような雰囲気です。息子はパレスチナ自治政府で働く技術者ですが、
給与が支払われません。家の外に出ても、軍事行動や銃の撃ち合いのため
に、家の中に戻らなければならないことがしばしばです。ベツレヘムでク
リスマスを祝うためにガザを出る許可証を取ることも困難です。我々の社
会は、希望のない絶望の地獄の中に深く落ち込んでいっているように感じ
ます。」

それでも、スウェイレムさんは、事態が改善する希望をまだ持っています。
「この破壊の後で、ガザは多くのものを必要とするでしょう。たくさんの
人々がガザを去っています。でも、私は、みんなにガザに留まり、建て直
してもらいたいのです。破壊するのでなく、棄てるのでなく。来年は、今
よりもずっとよくなっているでしょう。どうなるにしても、今のこの最悪
の状況よりはよくなっているはずです。」

ガザで、キリスト教徒のコミュニティは、紛争解決のために大きな役割を
担っています。キリスト教徒のコミュニティは、パレスチナ社会で不可欠
の部分となっています。キリスト教徒、イスラム教徒の区別なく支援を提
供する学校や組織を運営しているからです。

ガザのローマ・カトリックの神父、マニュエル・ムサラムは、パレスチナ
の内部闘争を終わらせるために働くよう呼びかけました。「ガザでは仕事
がなく、生計が立てられず、未来がないことは、誰もが知っています。し
かし、人々が直面している問題は、安全がないことです。安全の欠如は大
きな問題です。私たちは、陳情書をパレスチナ自治政府の大統領、首相、
そしてガザの市長に送って、悪化し続ける状況の解決策を見いだし、この
ひどい境遇に囚われた罪のない人々を救い出すよう求めました。」

「このクリスマスは私が覚えているこれまでのどのクリスマスとも違いま
す。サンタクロースは、この状況を恐れて、学校の子どもたちを訪ねませ
んでした。木々には飾りやイルミネーションが付けられませんでした。喜
びの代わりに、正体不明の者たちに銃で撃ち殺された3人の子どもたちを
悼んで、一日を過ごしました。私たちは殺された子どもたちの家を訪ねて
まわりました。全ての喜びの祝いの行事は取りやめになりました。」

カリタス・エルサレムは、マニュエル・ムサラム神父と共に、神に、ガザ
の人々が長く拒まれてきた慈悲と正義と憐れみをこいます。恐怖と死の支
配が止むよう助けを求めます。次のクリスマスがガザの人々にとってずっ
とよいものになりますように祈ります。

※ エルサレムの諸教会の指導者たちによる呼びかけ(2007/1/12)
http://www.oikoumene.org/index.php?id=2964

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